備忘録
あるいは回顧録
製作したゲームの公開と
作品で意図したことなどつらつらと。
自作品の特徴1:アンチヒーロー
RPGは基本的に英雄になることが約束された人間の物語といえますが、
自分はそこにスポットライトを当てていません。
それゆえ、成功体験の共有といったような結末にもなりません。
自分は作品を真剣に受け止めてほしいと思っているので、
どうしてもシリアスかつご都合主義を排した作りになります。
ゲームはもともと、アニメや漫画に近い分野だと思いますが、
自分はどちらかというと映画のような後味の作品を目指しています。
絵空事で終わる作品にしたくない、そんな願いを込めて主人公を
スーパーヒーローではなく普通の人間として描ければと思っています。
自作品の特徴2:世界の変化より主人公の変化を描く
特徴1と関連する話ですが、自分は英雄物語というRPGの前提を踏襲していません。
王道RPGでは主人公の行動、選択がどう世界に影響するか、ということが
ストーリーの肝になると思いますが、自作品では世界は不動のままでもかまわない、
といったスタンスになっています。
そういう意味で、他のRPGと比べるとクリアしても達成感が少なく、
不完全燃焼に感じる部分もあるのではと思います。
主人公の変化を描ければ後の展開は蛇足、というのが
自分の一貫した姿勢といえるかもしれません。
自作品の特徴3:文章表現の多さ
プレイヤーに想像の余地を残す、ということはゲームの解釈を
プレイヤーの手に委ねることを意味するのだと思いますが、
自分はその自由をあえて奪うくらい、作中で文章表現を多用しています。
プレイヤーに想像の余地を残す・・・それはどこか実体のない誇張まで
含まれるような気がしてどうにもモヤモヤしてしまうのです。
なので、自作品ではこれと決めた設定はだいたい作中の人物が語るようにしています。
もちろん、そうすることでプレイヤーが窮屈に感じる可能性もあるでしょうが、
それは何より作品をあらぬ方向で過大評価も(過小評価も)してほしくない、
と自分自身が常に考えているからです。
自作品の特徴4:過度な刺激を与えない
流血表現やグロテスクな描写など、そういった強い刺激を求める人間は
繊細な感受性を失っている、というのが自分の正直な認識です。
それらは自分にとって安っぽい印象を与えるだけの、ジャンクな質感しかありません。
ストーリーの起伏としても、ただ過激であればいいとは思いませんので・・・
ゲームに非日常的な楽しさだけを求めるなら、それでいいかもしれませんが
そういうゲームにはえてして突拍子もない、いかれたキャラクターなどが頻出するので
普通の人間を描きたい自分とは方向性が真逆だといえます。
ですから過度な刺激を与えずとも、プレイヤーに良い作品だと思ってもらえるような
作風を意識して心がけています。